表現することが怖かった私が、コモンビートで得たもの【市民ミュージカル】

ライフスタイルエッセイ,名古屋,市民ミュージカル

はじめに

100日間の挑戦が終わった今、一番心に残っているのは「表現」という言葉です。

2025年9月13日、14日。私はコモンビート65期 名古屋公演に参加しました。

歌は趣味レベル、ダンス演技経験ゼロの私が舞台に立ち、仲間と一緒に一つの舞台を作り上げた時間は、本当に濃いものでした。

この記事では、そんなコモンビートでの体験を通して学んだ「表現」についてお伝えします。

コモンビートとは?参加のきっかけ

コモンビートは、100人が100日間でミュージカルをつくり上げるプログラムです。
年齢も職業も経験もバラバラの人たちが集まり、歌い、踊り、演じて、一つの作品を完成させます。

きっかけは、会社の同僚が東京公演に参加していたことでした。
私が歌が好きで、長年ボイトレに通っていることを知っていた同僚が「名古屋でももうすぐはじまるよ!」と体験会を教えてくれたのです。

「そろそろ新しい刺激が欲しい」
「一人で歌うのではなく、みんなで舞台をつくるのはどんな感覚なんだろう」

そう思い、参加を決めました。

全力で駆け抜けた100日間

全く踊れなかったダンス。毎日家で必死に練習しました。
仕事終わりにも、みんなで集まって自主練。そのあとコンビニでガリガリくんを買って食べる青春。

深夜まで続くLINEグループの通話(私は眺めていることも多かったけれど、素敵な青春だなって思ってました)。

一方で、普段の運動不足がたたり体力が持たず、夏風邪は全然治らない。
直前には、大ホールで3時間喋り続ける仕事が重なり、本番では裏声が出ませんでした。

それでも、この100日間は間違いなく私の人生の財産になりました。
そして何より強く残ったのが、「表現」というテーマでした。

コモンビートで向き合った、私の「表現」

表現するって恥ずかしい

参加前の私は、自分の「好き」を堂々と出すのが苦手でした。

子どものころ、自分の好きなものを親や友人に伝えると「変」と言われることが多かったからです。
まだ考える力も伝える力も表現する力もなく、なぜこれが好きなのか語ることもできず。そんな自分にとって、その言葉は大きくて、「ああ、私の好きは変なんだ」と受け入れてしまいました。

それ以来、自分の好きなものを表に出すのが恥ずかしくなり、伝えるのは本当に信頼できる人だけに。
気づけば、私は「表現の仕方」を忘れてしまっていました。

大人になって歌や手芸を通じて再び表現に触れるようになっても、
「本当に自分が好きなものは何か、表現したいことは何か」を出すことができずにいました。

ブログを書くときも、公開ボタンを押す前はいつも不安。
「どう思われるだろう…」と心配になってしまうのです。

そもそも表現ってなんだ

こんなインタビュー記事が公開されていました。コモンビート理事長を務めていらっしゃる方へのインタビューです。

「俺はさぁ、こう思うんだよね」「私はさぁ、こんな風に感じたんだよね」そんなふうに「自分はさぁ」と話し出すことは、まさに自らを表現すること。

これは練習中にもお話がありました。
自己表現とは、自分の考えを外に出すこと、そこから始まるのだと知りました。

自己表現できるようになるまで

コモンビートでは、自分の考えや感想を伝えるワークがたくさんありました。

私は自分の意見が思いつかないことも多かったし、聞いている側であることも多くて、正直、難しく感じていました。

けれど、自分が「これだ」と思ったことを伝えると、「いいね」と受け入れてもらえました。

配役にも自分で意味を持たせ、どう表現するかを考えなくてはいけません。
ダンスや演技も大変でしたが、繰り返し向き合ううちに「こうやりたい!」という気持ちが湧いてきました。

そしてそれを褒めてくれる人がいました。表現をしても大丈夫な場所が、コモンビートにはありました。

衣装も自分で作らないといけません。
私はまっさきに、大好きな趣味のひとつである「手編み」を取り入れたいと思いました。

私の好きな、大自然の中での、田舎暮らし。山岳地方で暮らす人をモデルに、衣装を決めました。
山岳地方で暮らす人々は、物資が少なく、古い布をつなぎ合わせるパッチワーク文化を持っています。そこから着想を得て、スカートもパッチワークのものを選びました。

AIで生成した衣装イメージ
自分で作った衣装

今思えば、これが私の自己表現の第一歩でした。
他の人とうまい具合に被らなかったし、かわいいと褒めてもらえることも多かったです。
夫から絵画の「落ち葉ひろい」や「ミルクを注ぐ人」みたいと言われたりして、自分の伝えたいニュアンスが伝わったことが嬉しかったです。

私の中の「これが好き」「これが素敵」をちゃんと表現できて、それが相手に伝わって、肯定された。
そんな幸せな瞬間を、コモンビートで経験することができました。

まとめ

コモンビートを通して私が学んだのは、自己表現とは『私はこう思う』を外に出すこと。
そして勇気を出して表に出せば、受け止めてくれる人がいるということです。

特に、演出さんに褒めてもらえたのが私の中では大きかったです。
「あなたの表現は素敵だよ」
「あなたの表現が大好き。あなたの心がちゃんと乗っているから」

この言葉は、私にとって大きな自信になりました。

公演後、久しぶりにボイトレで歌を聴いてもらったとき、先生から「表現力が上がったね」と言われました。
歌はもちろん、ダンスや演技にも時間を割いたこと。どう表現するかを考え続けたこと。
そして何より、素直に表現する勇気を持てたこと。

それらがすべて、歌にも還っていったのだと思います。

歌だけでなく、手芸にもブログにも活かせるはず。のびのびと、自分の好きを表現したいと今はそう思っています。

きっとこの記事を読んでくださっている方の中にも、自己表現に不安を抱えている人がいるのではないでしょうか。

大丈夫。あなたの中にも、必ず表現はあります。そしてその表現は、きっと誰かの心に届きます。

どうかこの記事が、あなたの勇気となりますように。

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Posted by めあり